運行管理者試験(貨物)の合格発表は運行管理者試験センターのWebサイトで確認でき、令和7年度第2回の合格率は38.9%だった。
主要データ
- 合格率【令和7年度第2回】:38.9%(2026年4月1日発表、運行管理者試験センター)
- 合格率【令和7年度第1回】:37.2%(2025年9月17日発表、運行管理者試験センター)
- 過去5年平均合格率(貨物):約35.1%(2026年4月1日時点、運行管理者試験センター)
- 合格基準:30問中18問以上かつ分野別足切りクリア(運行管理者試験センター)
合格発表を「待つだけ」で終わらせると損をする
合格発表の日に試験センターのサイトを開いて番号を確認し、それだけで区切りをつけたつもりになる受験者は少なくないが、実際には合格後の手続きや職場内の段取りが続き、不合格だった場合でも次回受験へ向けた立て直しをすぐ始めなければ申込準備が後ろ倒しになりやすいため、発表日は確認日であると同時に次の行動を決める日でもある。
合格発表は到達点の確認ではあるものの、そこで動きを止めると実務上の準備で差がつきやすく、合格者には資格者証の申請や選任届の検討、現場での引き継ぎが待っている一方で、不合格者には次回日程の確認と弱点分野の洗い出しが必要になるため、どちらの結果であっても発表日から逆算して動く姿勢が欠かせない。
合格発表の確認方法と発表スケジュールの全体像
運行管理者試験(貨物)の合格発表は、公益財団法人 運行管理者試験センターの公式サイト(https://www.unkan.or.jp/)に掲載され、紙の通知書が先に郵送されるのではなく、Webサイト上の合否照会システムに受験番号を入力して確認する流れとなっている。
試験は年に2回実施されており、第1回(例年8月試験)の合格発表は例年9月中旬、第2回(例年2〜3月試験)の合格発表は例年4月上旬に設定されているため、受験後の予定を組む際には試験日だけでなく結果確認の時期まで含めて見通しておく必要があり、直近の実績としては令和7年度第1回が2025年9月17日、令和7年度第2回が2026年4月1日に発表されている。
現在時点(2026年10月)で次回となる令和8年度第2回試験の日程は未発表であり、例年11月上旬に運行管理者試験センターが次回の受験案内を公開するため、その時期の確認が必要になるが、合格発表の時期が例年4月上旬であっても確定日は毎回の公式案内で確認するほうが安全である。
試験センターサイトでの確認手順
合否照会は以下の流れで進む。
- 運行管理者試験センター(https://www.unkan.or.jp/)にアクセスする
- 「合格発表」または「試験結果・合格発表」のメニューを開く
- 受験番号と氏名(または生年月日)を入力して照会する
- 合格の場合は「合格」と表示され、後日、郵送で合格通知書が届く
発表直後は照会システムにアクセスが集中しやすく、サイトの表示が重くなったり一時的に繋がりにくくなったりすることがあるが、朝の時点で確認できなくてもすぐに異常と考える必要はなく、時間を置いて再度アクセスすれば照会できる場合が多い。
令和7年度第2回の合格率38.9%が示す現実
運行管理者試験(貨物)の直近合格率を整理すると、令和7年度第2回(2026年4月1日発表)は38.9%、令和7年度第1回(2025年9月17日発表)は37.2%であり、過去5年の平均合格率は約35.1%(運行管理者試験センター、2026年4月1日時点)となっているため、直近2回は平均をやや上回る水準で推移している。
数字だけを見ると受かりやすい試験に映るかもしれないが、受験者の多くは現場業務を抱えながら独学で学習しており、全ト協のデータでも中小運送事業者の運行管理者は兼務が主流であるため、合格率38.9%は十分に準備できた人には届く水準である一方、学習時間を確保しにくい層まで含めた全体像として読む必要がある。
また、「暗記さえすれば受かる」と片づけるのは危うく、実際の合格基準は30問中18問以上の正解に加えて出題分野ごとの足切りが設けられているため、出題分野(1)〜(4)で各1問以上、分野(5)で2問以上の正解がなければ総得点が18問を超えていても不合格となり、貨物自動車運送事業法や改善基準告示の理解が浅いまま頻出問題だけを追う学習では取りこぼしが起きやすい。
合格後にやるべき手続き——発表日から逆算して動く
合格通知を受け取った後の動きは、会社の規模や現在の運行管理者の配置状況によって細部こそ変わるものの、共通して押さえるべき手順はあり、発表日から逆算して整理しておけば選任や引き継ぎの遅れを防ぎやすくなる。
1. 合格証明書・資格者証の手続き
合格通知書が届いたら、運行管理者試験センターが発行する合格証明書を保管する必要があり、この書類は運行管理者の選任届を運輸支局に提出する際に必要になるため、紛失して再発行の手間が生じる事態を避けるには、会社の共有書類とは分けて個人でも確実に保管できる形にしておくほうが扱いやすい。
2. 運輸支局への選任届の提出
試験に合格しただけでは運行管理者として選任されたことにはならず、貨物自動車運送事業法の規定に基づいて事業者は運行管理者を選任し、地方運輸局(運輸支局)に選任届を提出する義務があるため、合格通知を受領した後は速やかに準備を進める必要があり、提出の遅れは法令対応の遅れに直結するので、具体的な期限や書式は管轄の運輸支局で確認しておきたい。
3. 既存の運行管理者との業務引き継ぎ
現場で起こりやすいのは、合格後の引き継ぎを発表後に考えればよいと後回しにした結果、たとえば20台規模の運送会社で運行管理者が1名体制だった場合に、新たな合格者の選任前後と既存管理者の退職時期が重なってしまい、法令上必要な選任数を下回るおそれが出ることであり、発表後は選任届の準備と並行して点呼記録簿・運転日報・運転者台帳の引き継ぎを進める必要がある。
帳票類の整備には帳票テンプレート集を活用すると、法定帳票を漏れなく揃える手がかりになる。
4. 定期講習の受講計画
選任後は一般講習・基礎講習の受講義務が生じ、新たに選任された運行管理者には初めて選任された年度に基礎講習を受講する義務があるため、NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)が全国各地で実施している講習については、発表後の早い段階で日程を押さえておかないと定員に達して受講時期が後ろへずれ込む可能性がある。
不合格だった場合——次の一手を発表日に決める
不合格だった場合、少し時間を置いてから立て直そうと考える人は多いが、合格発表と次回申込の準備期間は近接しやすく、気持ちの整理を優先するあまり初動が遅れると、学習計画だけでなく受験申込そのものも後手に回りやすい。
次の年度の第1回試験は例年8月頃に実施され、詳細は5月頃に運行管理者試験センターのホームページ等で公表されるため、正確な日程はその公式案内で確認が必要であり、合格発表の時期と申込準備が重なりやすいため、不合格と分かった段階でその日のうちに次回の申込スケジュールを調べ、必要な準備へ移るほうが実務的である。
科目別の弱点分析を最初にやる
CBT方式(コンピューター試験)では試験終了直後に画面上で分野別の正答数が表示される仕組みになっているため、その数字をメモしておけば帰宅後すぐに弱点科目を特定できるし、記録していなかった場合でも記憶が新しいうちに振り返れば、次回対策の精度を落としにくい。
実務上は「貨物自動車運送事業法」と「道路運送車両法」で得点を落とす受験者が目立ちやすく、改善基準告示は現場で触れる機会がある一方で、道路運送車両法は条文ベースの出題が実務感覚と結びつきにくいため、次回の学習計画では得意分野の上積みよりも、まず弱点分野で足切りを回避できる状態をつくるほうが現実的である。
次回試験に向けた試験対策ツールの活用
CBT方式の試験では過去問との形式差があり、四肢択一30問・90分という枠組み自体は変わらないものの、画面上で解く感覚に慣れておくことも対策の一部になるため、試験対策ツールで過去問と練習問題を確認しながら、知識の整理だけでなく操作感への慣れも含めて準備を進めると取りこぼしを減らしやすい。
合格率の数字に騙されない——分野別足切りという落とし穴
「30問中18問取れば合格」という説明だけを覚えていると実際の得点設計を見誤りやすく、市販テキストの多くが総得点を伸ばすための頻出問題対策に比重を置く一方で、足切り回避の観点から科目バランスをどう整えるかまでは十分に示していないため、総得点が足りていても不合格になるケースが生まれる。
具体的に整理すると、合格基準は以下の2条件の両方を同時に満たすことが必要になる(運行管理者試験センター)。
- 総得点:30問中18問以上(60%以上)
- 分野別足切り:出題分野(1)〜(4)で各1問以上、分野(5)で2問以上の正解
分野(5)は「運行管理者の業務上の知識及び能力」に相当し、配点が高いうえに2問以上の正解が求められるため、苦手意識があるからと後回しにすると失点の影響が大きく、合格ラインは単なる総得点60%ではなく全分野で最低限の正解を積み上げる設計だと理解して対策を組む必要がある。
現場で「使える」運行管理者になるための準備
資格取得後に現場で機能できるかどうかは、選任後の実務習熟度に大きく左右され、試験で問われる知識と日々の運行管理で求められる判断には隔たりがあるため、合格直後から実務の流れを意識して準備を始めた人ほど立ち上がりが安定しやすい。
たとえば改善基準告示が定める拘束時間・休息期間の管理は、試験では条文の穴埋めとして問われることがあるが、現場ではいすゞフォワードや日野プロフィアの複数車両の運行計画を組みながら、ドライバーごとの拘束時間を実際に管理し、さらにデジタコ(デジタル式運行記録計)のデータを翌日の運行指示へ反映させる作業につながるため、拘束時間・改善基準告示に関する確認は改善基準告示チェッカーも判断の補助に使える。
選任直後に詰まりやすいのは点呼記録の運用であり、アルコールチェッカーを使った乗務前・乗務後の点呼、その結果の記録、運転者台帳との突合を毎日漏れなく続ける仕組みづくりが最初の壁になるため、法令上の記録保存期間は所轄の運輸支局で確認する必要があるものの、記録の空白は巡回指導での指摘につながりうることを踏まえ、早い段階で運用ルールを固めておきたい。
次にやるべきこと——合格発表日から動き出すための3ステップ
発表日にやることを合格・不合格別に整理すると見通しは立てやすいが、本当に重要なのは結果を確認して終わることではなく、その日のうちに次の行動へつなげることであり、初動が早いほど手続きも学習計画も組み立てやすくなる。
合格した場合
- 合格通知書を保管する:運輸支局への選任届提出に必要になる。会社保管ではなく個人保管を推奨。
- 選任届の提出準備を始める:管轄の運輸支局に提出書類・期限を確認し、速やかに手続きを進める。貨物自動車運送事業法の規定に基づく義務だ。
- NASVAの基礎講習を予約する:定員が埋まる前に受講スケジュールを確保する。
不合格だった場合
- 発表日当日に次回の申込スケジュールを確認する:運行管理者試験センター(https://www.unkan.or.jp/)で次の回の受験案内を確認する。
- 試験当日の分野別正答数を振り返り、弱点科目を特定する:特に分野(5)と道路運送車両法の得点状況を優先的に確認する。
- 次回の学習計画を今週中に立てる:「来週から始める」はほぼ実行されない。発表日の週に計画を紙に書き出す。
合格発表を受けて動きを止めている時間は、合格者にも不合格者にも利益を生みにくいため、まずは運行管理者試験センターのサイトで合否を確認し、その結果に応じて必要な手続きまたは次回対策へすぐ移ることが、現場で機能する運行管理者になるための出発点になる。






