中継輸送拠点の選定基準は、高速IC・ターミナルからの所要時間と、深夜帯の運行管理者・整備士の確保で決まる。拠点配置で改善基準告示の遵守も変わる。

主要データ

  • 営業用トラック輸送トン数:204,468千トン(国土交通省 自動車輸送統計調査、2025年12月)
  • 軽油小売価格(全国平均):158.8円/L(資源エネルギー庁 石油製品価格調査、2026年6月1日時点)

中継輸送拠点の立地で最初に詰まるのは深夜運行の対応体制だ

中継輸送を組もうとして最初に詰まるのは、深夜帯に中継点で運行管理者を常駐させられない点であり、教科書では「中継拠点を置けば拘束時間が分散できる」と説明される一方で、実際の導入局面では運行管理者の配置義務と深夜の点呼体制という、運用全体を左右する実務上の制約に直面することになる。

関東と九州を1運行で結ぶ実運送の現場で中継拠点を1か所設けた場合でも、深夜の中間点呼を誰が実施するのかという論点は残り、地図上で中間地点を押さえただけでは運用が前へ進まない。

中継拠点配置の実務で見落とされがちなのは、高速IC・ターミナルからの距離だけでなく、深夜2〜4時に点呼と車両入替えができる整備士・運行管理者の確保であり、国土交通省の自動車輸送統計調査(2025年12月)による営業用トラック輸送トン数204,468千トンという輸送量を、改善基準告示の拘束時間上限内で回すには、この両立が前提になる。

全日本トラック協会の実態調査でも、中継輸送導入の阻害要因として「中継点での人員配置」が最上位に挙がっており、拠点の立地だけを先行して決めると深夜帯の点呼義務が履行できず、結果として中継輸送の運用が崩れるため、導入率が大手事業者でも限定的にとどまる背景が見て取れる。

中継拠点選定の前提条件

拠点配置の判断に必要な3要素

中継輸送拠点の配置で最初に整理する必要があるのは、運行距離・拘束時間・中継点の労務体制の三つであり、単に高速ICや物流施設の近さだけで拠点を選ぶと、深夜の運行管理者不在で点呼義務違反となるケースが発生するため、立地判断は労務体制の確認と切り離せない。

  • 運行距離と拘束時間の計算:運行区間の全長を2分割または3分割し、改善基準告示の拘束時間上限に収まるか試算する。改善基準告示の具体的な上限値および延長条件については、厚生労働省の最新告示内容および社労士への確認を推奨する。仮に東京港大井ふ頭から神戸港まで550kmを1運行で組む場合、拘束時間が長時間化する可能性があるため、中継点を置く必要がある。
  • 中継点での車両入替えと点呼義務:中継点でドライバーを交代する場合、中間点呼を実施する運行管理者の配置が必要になります。深夜2〜4時台に点呼を実施できる体制がなければ、中継輸送の運用自体が成立しません。運行管理者の配置基準は、貨物自動車運送事業法および関連告示に基づき判断する必要があるため、最終判断は行政書士または社労士への確認を推奨します。
  • 帰り便の貨物確保:中継拠点を置いた場合、往路と復路の両方で実車率を維持できるかが収支に直結する。中継点付近に定期的に貨物が発生する荷主や求貨求車の登録先がなければ、空車走行が増えて運賃が合わなくなる。

拠点選定で使う具体的な立地要素

中継拠点の候補地を絞り込む際に確認する立地要素は、高速IC・燃料補給・整備工場・駐車可能台数の4項目であり、これらが揃わない地点を拠点にすると、車両トラブルや深夜給油への対応が遅れるだけでなく、結果として運行遅延が頻発し、拘束時間削減の狙いそのものが薄れてしまう。

  • 高速IC・主要道路との距離:中継点から高速ICまで10分以内でアクセスできる立地が望ましい。ICからの距離が長いと、中継待ち時間が拘束時間に加算され、拘束時間削減効果が相殺される。
  • 24時間給油所の有無:軽油小売価格は2026年6月1日時点で全国平均158.8円/L(資源エネルギー庁)だが、深夜帯に給油できる給油所が限られる地域では、事前給油の手配が必要になる。中継点付近に24時間対応のセルフ給油所があるかどうかは、深夜運行の実現可能性に直結する。
  • 整備工場・部品供給網:深夜帯に車両トラブルが発生した場合、最寄りの整備工場が対応できるかどうかで運行遅延の程度が変わる。いすゞ・日野・三菱ふそう・UDトラックスの各ディーラーや整備協力工場の所在地を事前に確認する。
  • 駐車可能台数と入替え作業スペース:中継点で複数の運行便が同時に入替え作業を行う場合、駐車スペースが不足すると待ち時間が発生し、拘束時間が延びる。仮に3便が同時に中継点に到着する運用を組む場合、6〜8台分の駐車スペースが必要になる。

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Step 1:運行区間の拘束時間を試算する

中継拠点を配置する前に、まず現状の運行区間全体で拘束時間が改善基準告示の遵守可能範囲に収まるかを試算します。改善基準告示の具体的な拘束時間上限および延長条件については、厚生労働省の最新告示内容および社労士への確認を推奨しますが、収まらない場合に初めて中継点の配置検討に移る一方で、収まる場合は中継拠点を設けず既存の運行計画で対応する方が、実車率と収支の面で有利になることが多い。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和4年)」によると、道路貨物運送業の年間労働時間は全産業平均と比較して長時間となっており、2024年4月施行の改善基準告示の遵守には、中継輸送等の実効的な労働時間短縮施策を組み込むかどうかの判断が、運行設計の初期段階から求められている。

拘束時間の試算方法

運行計画から拘束時間を試算する際は、走行時間・荷役時間・点呼時間・待機時間の合計を算出しますが、拘束時間の定義および分割休息の扱いについては、改善基準告示の最新内容を踏まえ、制度解釈のずれを避けるためにも社労士への確認を推奨します。

  1. 走行時間の計算:運行区間の距離を平均速度で割り、休憩時間を加算する。仮に東京港大井ふ頭から神戸港まで550kmを走行する場合、高速道路の平均速度を仮に60km/hとすると、走行時間は約9時間となる。これに休憩時間と荷役時間を加えると、拘束時間が長時間化する可能性がある。
  2. 荷役時間と待機時間:荷主のターミナルでの積込み・取卸しに要する時間と、待機時間を実績ベースで計上する。待機時間が長時間化する荷主との取引では、待機時間削減の交渉が拘束時間短縮の前提になる。
  3. 点呼時間:乗務前点呼・乗務後点呼の所要時間(1回あたり数分程度)を拘束時間に含める。深夜帯に中間点呼を実施する場合、点呼時間も拘束時間に加算される。

拘束時間が上限を超える場合の判断基準

試算の結果、拘束時間が自社の運行実態で改善基準告示の遵守が困難となる可能性がある場合は中継輸送の検討に移り、具体的な拘束時間の上限値および延長条件については、改善基準告示の最新内容と自社の運行管理実態を照合したうえで社労士への確認を推奨する一方、遵守可能な範囲に収まる場合は既存計画の維持が収支面で優位になりやすい。

Step 2:中継拠点候補地をリストアップする

拘束時間の試算で中継点が必要と判断した場合、運行区間の中間地点を中心に半径30〜50km圏内で候補地をリストアップするが、中継点は運行区間を均等に分割する位置が理想である一方、現実には高速IC・給油所・駐車スペースの制約が重なるため、地図上の中間点がそのまま実用的な候補地になるとは限らない。

候補地の絞り込み基準

  • 高速ICからの距離:中継点から最寄りの高速ICまで10分以内でアクセスできる立地を優先する。IC直結の物流施設や、IC出口から数キロ圏内の工業団地内にある倉庫・配送センターが候補となる。
  • 深夜帯の運行管理者配置:中継点で深夜2〜4時に点呼を実施できる運行管理者が常駐しているかを確認します。自社で運行管理者を配置できない場合は、協力運送会社の拠点や、運行管理業務を受託している倉庫業者の施設を候補に入れます。運行管理者の配置基準は、貨物自動車運送事業法および関連告示に基づき判断する必要があるため、最終判断は行政書士または社労士への確認を推奨します。
  • 燃料補給と整備工場:中継点付近に24時間対応のセルフ給油所があるか、または事前契約で深夜給油が可能な給油所があるかを確認する。整備工場は、いすゞ・日野・三菱ふそう・UDトラックスの各ディーラーや、深夜対応の整備協力工場の所在地を地図上で確認する。
  • 駐車可能台数:中継点で同時に複数の運行便が入替え作業を行う場合、駐車スペースが不足すると待ち時間が発生し、拘束時間削減効果が相殺される。仮に3便が同時に到着する運用を組む場合、6〜8台分の駐車スペースが必要になる。

候補地の現地確認

地図上でリストアップした候補地について、実際に現地を訪問して以下を確認する。地図情報だけでは、駐車スペースの実寸や深夜帯の施設利用可否が判断できず、机上では成立して見える候補地でも、現場確認をすると入替え動線や騒音条件の面で運用に乗らないことがあるためだ。

  • 駐車スペースの実寸と、入替え作業に必要な回転スペースの有無
  • 深夜帯の施設利用が可能かどうか(事務所・トイレ・休憩室の利用時間)
  • 最寄りのIC・給油所・整備工場までの実走所要時間
  • 周辺の騒音規制・駐車規制の有無(深夜帯のアイドリング・荷役作業が可能か)

Step 3:中継拠点の運行管理体制を組む

候補地が絞り込めたら、次は中継点での運行管理体制を組むことになるが、ここで詰まるのは深夜帯の中間点呼を誰が実施するかという実務であり、自社で運行管理者を配置できない場合は、協力運送会社との連携や運行管理業務の外部委託まで含めて、事前に運用設計を固めておく必要がある。

深夜帯の運行管理者配置の3パターン

中継点で深夜帯に中間点呼を実施する体制は、大きく分けて以下の3パターンがあり、どのパターンを採るかは自社の運行管理者の人数だけでなく、協力運送会社との関係や委託先との責任分界をどこまで明確にできるかによっても左右される。

  1. 自社で運行管理者を配置する:自社の営業所を中継点に設置し、運行管理者を配置します。運行管理者の配置基準は貨物自動車運送事業法および関連告示に基づき判断する必要があるため、最終判断は行政書士または社労士への確認を推奨します。
  2. 協力運送会社の拠点を共用する:中継点付近に拠点を持つ協力運送会社に、中間点呼と車両入替えの業務を委託する。この場合、委託先の運行管理者が点呼義務を負うため、委託契約書で責任範囲を明確にする必要がある。
  3. 運行管理業務を外部委託する:運行管理業務を専門に受託している倉庫業者や、運送管理SaaSを提供している事業者に、中間点呼の実施を委託する。委託先の選定では、深夜帯の対応可否と、デジタコ・運行記録計のデータ連携が可能かを確認する。

中継点での車両入替え手順

中継点での車両入替え作業は、ドライバーの乗務交代・点呼・車両点検・貨物の積替えまたは確認の順で実施するが、作業手順を標準化しておかないと待ち時間が発生し、せっかく中継点を設けても拘束時間削減効果が相殺されるため、手順書と記録方法の整備が欠かせない。

  1. 到着ドライバーの乗務後点呼:前区間を走行してきたドライバーが中継点に到着したら、運行管理者が乗務後点呼を実施する。デジタコのデータ確認とアルコールチェッカーでの検査を含む。
  2. 車両点検と貨物の確認:到着した車両の車両点検(タイヤ・灯火類・積荷の固定状態等)を実施し、貨物の破損や汚損がないか確認する。冷蔵・冷凍貨物の場合は、庫内温度の記録も確認する。
  3. 後続ドライバーへの引継ぎと乗務前点呼:後続区間を走行するドライバーに、運行管理者が乗務前点呼を実施する。運行指示書の内容確認・健康状態の確認・アルコールチェッカーでの検査を含む。
  4. 出発と運行記録の記録:後続ドライバーが出発したら、運行管理者は点呼記録簿に中間点呼の記録を記載します。点呼記録簿の保存期間および管理方法については、貨物自動車運送事業法および関連告示に基づき判断する必要があるため、最終判断は行政書士または社労士への確認を推奨します。

Step 4:帰り便の貨物確保と実車率の維持

中継拠点を配置した後に詰まるのは、往路と復路の両方で実車率を維持できるかという点であり、中継点付近に定期的に貨物が発生する荷主がいなければ空車走行が増えて運賃が合わなくなるため、立地選定の段階から復路貨物の発生可能性を織り込んでおく必要がある。

中継点付近での貨物確保の手順

中継点付近で帰り便の貨物を確保する手順は、荷主開拓・求貨求車への登録・混載便の組み合わせの3方向で進めるが、どの方向が有効かは中継点の立地と運行頻度で変わるため、単一の方法に依存せず複数の手段を並行して試す姿勢が求められる。

  • 中継点付近の荷主開拓:中継点から半径20〜30km圏内に、定期的に貨物を発送している荷主がいるかを調査する。特別積合の大手や、地域の協同組合・卸売市場が定期便を出している場合、帰り便の貨物として組み込める可能性がある。
  • 求貨求車への登録:中継点での折り返し便を求貨求車システムに登録し、帰り便の貨物をマッチングする。求貨求車システムは、運送便の出発時刻・到着時刻・積載可能重量を登録すると、荷主からの引き合いが自動的に通知される仕組みだ。
  • 混載便の組み合わせ:中継点付近で複数の小口貨物を混載して、往路と同じ方向に戻る混載便を組む。混載便の組み方は、荷主の納品サイクルと配送先の地域分布で決まる。

実車率を維持できない場合の対処

中継点付近で帰り便の貨物を安定的に確保できない場合は、中継拠点の配置自体を見直す必要があり、空車走行が続くと燃料費と人件費が運賃収入を上回って中継輸送の収支が悪化するため、運行を続けるかどうかの判断は感覚ではなく実績データに基づいて行うべきだ。

  • 中継点の位置を貨物発生地に近づける:中継点を、帰り便の貨物が定期的に発生する地域に移動する。仮に中継点を工業団地内に設定すると、帰り便の貨物確保が容易になる。
  • 中継輸送を取りやめ、2名運行に切り替える:中継輸送で帰り便の実車率を維持できない場合は、2名乗務の長距離運行に切り替える選択肢があります。2名乗務では運転手の人件費が増加しますが、空車走行を減らせる場合は収支への影響が異なることがあります。自社の運行条件・運賃・燃料費を踏まえた試算を推奨します。

よくある失敗と対処法

中継点で深夜の運行管理者が確保できず運用が破綻する

中継輸送を導入して最初に失敗するのは、中継点で深夜2〜4時に運行管理者を配置できず中間点呼が実施できなくなるケースであり、教科書では「中継点を置けば拘束時間が分散できる」と説明されるものの、現場で直面するのは深夜帯の点呼義務をどう履行するかという、きわめて具体的な実務である。

関東と九州を結ぶ長距離便で、中継点を静岡県内に設定したケースでは、深夜3時に中間点呼を実施する運行管理者を確保できず、中継輸送の運用が開始3か月で破綻したうえ、点呼記録の空白が続くと巡回指導で指摘され、運行計画の見直しを求められることになる。

対処法:中継点の候補地を選定する段階で、深夜帯の運行管理者配置が可能かを最優先で確認する。自社で配置できない場合は、協力運送会社の拠点を共用するか、運行管理業務を外部委託する体制を事前に整える。

中継点から高速ICまでの距離が遠く、中継待ち時間が拘束時間に加算される

中継点の立地選定で失敗するのは、高速ICから10km以上離れた地点を中継点に設定し、中継待ち時間が拘束時間に加算されるケースであり、地図上では「運行区間の中間地点」に見える拠点でも、IC出口から一般道を30分以上走行する立地では、中継による時間短縮効果が実務上ほとんど残らない。

東名高速沿いで中継輸送を導入したケースでは、中継点をIC出口から15km離れた工業団地内に設定したところ、中継待ち時間が往復で1時間近く加算され、拘束時間が逆に延びた。

対処法:中継点は高速ICから10分以内でアクセスできる立地を最優先で選ぶ。IC直結の物流施設や、IC出口から数キロ圏内の倉庫・配送センターを候補地とする一方、立地条件で妥協すると、中継輸送で期待した時間短縮が現場では吸収されてしまう。

帰り便の貨物が確保できず、空車走行で収支が悪化する

中継拠点を配置した後に失敗するのは、往路は実車で運行できるが復路で貨物を確保できず空車走行が続くケースであり、中継点付近に定期的に貨物を発送する荷主がいなければ、実車率が低下して運賃収入が燃料費と人件費を下回る可能性があるため、帰り便の実車率が自社の採算ラインを下回る場合は継続可否の再評価が必要になる。

具体的な実車率の基準は、自社の運賃・燃料費・人件費を踏まえた試算で確認してください。採算判断は、感覚ではなく数値で詰めたい。

対処法:中継点の立地選定では、帰り便の貨物確保が可能かを事前に調査する。中継点から半径20〜30km圏内に、定期的に貨物を発送している荷主や、求貨求車システムで引き合いが多い地域を優先する。帰り便の貨物確保が困難な立地では、中継拠点の配置を見直すか、2名乗務の長距離運行に切り替える。

中継輸送拠点におけるよくある失敗と対処法の様子

安全上の注意点

中継点での車両入替え時の安全確認

中継点での車両入替え作業では、ドライバーの疲労状態と車両の安全点検を確実に実施する必要があり、深夜帯の作業ではドライバーの健康状態が悪化しやすい一方で、点呼でのアルコールチェッカー・体調確認が形骸化するリスクも高まるため、確認項目を省略しない運用が重要となっている。

  • アルコールチェッカーでの確認:乗務前点呼・乗務後点呼の両方で、アルコールチェッカーを使用してドライバーの状態を確認する。深夜帯の点呼では、ドライバーの眠気や疲労で点呼が省略されるケースがあるが、点呼記録の空白は巡回指導で指摘対象となる。
  • 車両点検の実施:中継点での車両入替え時に、タイヤ・灯火類・積荷の固定状態等の車両点検を実施する。長距離運行では、タイヤの摩耗や空気圧低下が進行しやすく、点検を省略すると走行中のトラブルリスクが高まる。
  • 冷凍・冷蔵貨物の温度確認:冷凍・冷蔵貨物を運送する場合、中継点で庫内温度の記録を確認する。温度記録の空白が続くと、監査時の指摘対象となる可能性がある。温度記録の管理は荷主との取り決めに基づき設定する。

深夜帯の駐車場所と周辺住民への配慮

中継点として使用する駐車場所が、周辺住民の騒音規制エリアに該当しないかを事前に確認する必要があり、深夜帯のアイドリングや荷役作業で騒音が発生すると、周辺住民からの苦情が自治体に寄せられて駐車場所の使用が制限されるケースもあるため、立地確認は運行前の必須工程となる。

  • 騒音規制エリアの確認:中継点として使用する駐車場所が、自治体の騒音規制条例でアイドリング禁止区域に指定されていないか確認します。規制エリア内では、深夜帯のアイドリングに対し自治体の指導対象となる可能性があります。具体的な規制内容および罰則の有無は、各自治体の最新条例でご確認ください。
  • 周辺住民への事前説明:中継点として使用する駐車場所が住宅地に近い場合、周辺住民に事前に運行計画を説明し、深夜帯の騒音対策を講じる。対策が不十分な場合、苦情が自治体に寄せられて駐車場所の使用が制限される。

次にやるべきこと:中継拠点の試験運行と収支確認

中継拠点の配置と運行管理体制が整ったら、次は試験運行を実施して拘束時間と実車率を確認し、計画上の拘束時間と実績値の差、帰り便の貨物確保状況、中継点での待ち時間の発生状況を記録したうえで、運行計画へ反映していく必要がある。

試験運行で確認する項目

  • 拘束時間の実績値:運行計画で試算した拘束時間と、実際の運行での拘束時間の差を確認する。中継点での待ち時間が長時間化している場合は、車両入替え作業の手順を見直す。
  • 帰り便の実車率:往路と復路の実車率を記録し、空車走行が多い区間では貨物確保の対策を講じる。帰り便の実車率が自社の採算ラインを下回る場合は、中継拠点の配置見直し・混載便の組み合わせ検討など、自社の運行条件に応じた対策が必要です。
  • 中継点での点呼記録:中継点で実施した中間点呼の記録を確認し、点呼記録簿に漏れがないか確認する。点呼記録の空白が続くと、巡回指導で指摘対象となる。
  • 燃料費と高速料金の実績:中継輸送導入前後での燃料費と高速料金の実績を比較し、コスト削減効果を確認する。軽油小売価格は2026年6月1日時点で全国平均158.8円/Lだが、地域や給油所により異なる。燃料費の実績は自社の運行条件で試算する前提となる。

試験運行後の運行計画見直し

試験運行の結果を踏まえ、拘束時間削減効果が不十分な場合は中継点の位置を見直し、帰り便の実車率が低い場合は貨物確保の対策を講じる必要があり、中継輸送の収支が改善しない場合は、中継輸送を取りやめて2名乗務の長距離運行に切り替える選択肢も検討する。

まずは自社の運行区間で拘束時間を試算し、中継点が必要かどうかを判断するところから始める。次に、中継点候補地の現地確認と、深夜帯の運行管理者配置が可能かを確認する。最後に、試験運行で拘束時間と実車率を記録し、運行計画に反映する。この3ステップで中継輸送の導入を進めることで、改善基準告示の遵守と実車率の維持が両立する。

この分野の統計データは「運送業のいまの数字」で、グラフとテーブルで一覧できます。

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