運行管理者試験結果とは、公益財団法人運行管理者試験センターが年2回実施する運行管理者試験の合格発表を指し、受験者番号ごとに合格・不合格が判定され、合格者には運行管理者資格者証の交付申請資格が与えられる。

主要データ

  • 令和7年度第2回試験(貨物)合格率:32.4%(運行管理者試験センター、2026年3月発表)
  • 令和7年度第1回試験(貨物)合格率:29.8%(運行管理者試験センター、2025年9月発表)
  • 過去5年平均合格率:約30%前後(貨物)(運行管理者試験センター統計)
  • 令和8年度第1回試験日程:2026年8月8日〜9月6日(CBT方式)(運行管理者試験センター)

運送会社の現場で起きる「試験結果待ち」の空白期間

埼玉県内で冷凍・冷蔵輸送を手がける運送会社が、ベテランドライバーを運行管理者候補として試験に送り出したのが8月下旬であり、受験後から合格発表まで約1か月の間、社長は退職予定の運行管理者の引き継ぎを止めておくべきか、それとも新規採用に動くべきかの判断を保留せざるを得なかった。結果的に不合格となり、次回試験まで半年待つことになったが、その間に既存の運行管理者が体調を崩して休職したため、急遽、外部の運行管理補助者を探すことになったという話は、中小運送会社では決して珍しくない。

運行管理者試験結果の発表タイミングは企業の人員配置計画に直結し、特に保有車両20〜30台規模の事業者では運行管理者が1〜2名体制にとどまりやすいため、不合格による欠員リスクがそのまま経営判断に跳ね返る。運行管理者試験センターによると、令和7年度第2回試験(貨物)の合格率は32.4%であり、約7割が不合格となる計算になるため、試験結果発表から次回試験までの空白期間をどう埋めるかが、現場で先送りしにくい実務課題となっている。

試験結果の発表スケジュールと確認手順

運行管理者試験は年2回、8月と3月に実施される。令和8年度第1回試験は2026年8月8日から9月6日の期間でCBT方式により実施され、合格発表は2026年9月24日に予定されているが、試験結果の確認は受験者番号と生年月日を入力して運行管理者試験センターのウェブサイトで照会する仕組みであり、合格者には郵送で合格通知書が届く一方で、不合格者には通知が送られないため、この点を知らないまま待ち続けてしまう受験者もいる。

合格発表後、合格者は運輸支局に運行管理者資格者証の交付申請を行う必要があり、申請には合格通知書、顔写真、手数料(1,540円、令和8年度時点)が必要で、交付までには申請から約2週間を要する。この間は厳密には運行管理者として選任できないため、事業者側は運行管理者資格者証の交付を待ってから選任届を提出する流れとなり、試験合格から実際の選任まで約1か月のタイムラグが生じる点が、人員計画上の盲点として残りやすい。

CBT方式導入後の変化

令和5年度からCBT(Computer Based Testing)方式が導入され、受験者は指定期間内で都合の良い日時・会場を選べるようになった。従来のペーパー試験は年2回の特定日に全国一斉実施だったが、CBT方式では約1か月の試験実施期間が設けられ、受験機会は広がっている。一方で、合格発表日は試験期間終了後に一括で設定されるため、試験期間の前半に受験した場合は結果を知るまでの待機期間が長くなり、2026年度第1回試験では8月8日に受験しても9月24日まで約1か月半待つことになる。

合格率の推移と試験難易度の実態

運行管理者試験(貨物)の合格率は、過去5年間で約30%前後を推移している。令和7年度第2回試験は32.4%、第1回試験は29.8%と、年度内でも数ポイントの変動がある。この合格率は他の国家資格と比較してもやや低めであり、宅地建物取引士(約15〜17%)ほど厳しくはないものの、フォークリフト運転技能講習(ほぼ100%)や危険物乙四(約30〜40%)と比べると、運行管理者試験は現場で必要とされる割に取りにくい資格として受け止められやすく、運行管理者試験センターの統計によると、令和5年度の貨物試験受験者数は年間約6万人に上り、旅客試験の約1万人と比較しても需要の高さが見て取れる。

試験科目は5科目(貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、その他運行管理者の業務に関する知識)で構成され、各科目で最低1問以上正解し、かつ全体で60%以上の正答率が合格基準となる。過去の受験者からは「法令科目は暗記で対応できるが、実務・事例問題が難しい」という声が多く、特に「その他運行管理者の業務に関する知識」では、運行計画の策定、点呼の実施、事故防止対策など、実務経験がないと解答しにくい問題が出題される。教科書では「適切な点呼を実施する」とされるが、実際の現場では荷待ち時間の変動、急な配車変更、ドライバーの体調不良など複数の条件が重なるため、この「現場のリアル」を問う問題が合格率を押し下げる一因になっていると考えられる。

不合格者の傾向

運行管理者試験センターの公表データでは受験者の属性別合格率は明示されていないが、運送業界の内部調査では「ドライバー経験5年以上の受験者」と「未経験者」で合格率に10ポイント以上の差があるとされる。実務経験者は事例問題で有利である一方、法令の細かい数値(拘束時間の上限、休息期間の下限など)を正確に記憶していないケースが多く、未経験者は法令暗記に強いが実務判断を問う問題で失点しやすいため、どちらも片方に偏った対策では合格ラインに届きにくい構造となっている。

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試験結果から選任までの実務手順

試験合格後の実務フローは、次の4ステップで進む。第一に、合格発表日に運行管理者試験センターのサイトで合格を確認する。第二に、郵送される合格通知書を受領する(発表後約1週間)。第三に、運輸支局に運行管理者資格者証の交付申請を行う。第四に、資格者証交付後、運輸支局に選任届を提出する。この一連の流れに約3〜4週間を要するため、試験合格イコール即日選任とはならない点を見落とさないほうがよい。

選任届の提出期限は、運行管理者を選任すべき事由が生じた日から14日以内と定められている(貨物自動車運送事業法施行規則)が、「選任すべき事由」の起点は試験合格日ではなく、既存の運行管理者が退職した日や増車により選任基準を超えた日であるため、試験合格を見込んで退職日を設定していた場合には、不合格により退職日までに後任を選任できず、無選任状態が発生するおそれがある。この場合、運行管理補助者を一時的に配置するか、外部の運行管理者資格保有者に委嘱するなどの暫定措置が必要になり、国土交通省の公表データによると、令和4年度に運行管理者の未選任や選任基準違反で行政処分を受けた事業者は約500件に上っている。

複数回受験者の扱い

不合格の場合、次回試験まで約半年待つことになる。令和8年度第1回試験が9月に発表され、次回の第2回試験は令和9年2月頃の実施になる見込みだ。この間、事業者は運行管理者の欠員を抱えたまま運営を続けるか、別の候補者を探すかの選択を迫られる。複数回受験者の中には3回目、4回目の挑戦という例も少なくないが、試験センターは過去問を一部公開しているものの、出題傾向は年度ごとに変化しているため、同じ対策を繰り返すだけでは合格に届かないケースも出てくる。

試験結果が事業者の運営に与える影響

運行管理者の選任は事業用自動車の運行を管理するための法的義務であり、選任基準を満たさない場合、新規許可の取得や更新ができない。具体的には、事業用自動車29台までは1名以上、30台以上は30台ごとに1名を追加選任する必要がある(貨物自動車運送事業法施行規則)。この基準を下回ると運輸支局から是正指導や行政処分の対象となり、試験不合格により選任基準を満たせなくなった場合には、増車計画の凍結や新規契約の見送りなど、事業拡大に直接響く制約として表面化しやすい。

全日本トラック協会の調査によると、運送事業者の約65%が「運行管理者の確保に課題を感じている」と回答している(令和5年度「経営分析報告書」)。特に地方部では、受験機会が限られるうえ、合格後も地元に残らず都市部へ転職するケースがあるため、試験合格者の確保自体が難しい。このため、試験結果の発表後には合格者を複数の事業者で取り合う場面も生じており、国土交通省の統計では、令和4年度末時点で一般貨物自動車運送事業者数は約6万2千事業者に上ることから、年間約6万人の受験者数でも需要を満たしきれていない現状がうかがえる。

Gマーク取得への影響

全日本トラック協会が実施する「安全性優良事業所認定制度(Gマーク)」では、運行管理者の配置状況が評価項目に含まれる。選任基準を上回る運行管理者を配置している事業者は加点対象となるため、試験合格者の確保はGマーク取得の前提条件の一つでもある。Gマーク事業所は、荷主からの信頼度向上、助成金の優遇、巡回指導の簡素化などのメリットを享受できるため、試験結果は単なる資格取得にとどまらず、事業者の競争条件にも影響を及ぼす。

次回試験に向けた準備と対策

不合格者が次回試験に向けて準備する際、最も効果的な対策は「過去問の繰り返し」だけではなく、「法令の改正点と実務事例の把握」を並行して進めることにある。運行管理者試験は、道路交通法、労働基準法、改善基準告示などの法令改正を反映した問題が毎回出題される。令和6年4月には改善基準告示が改正され、拘束時間・休息期間の基準が一部変更されたが、この改正内容を反映した問題は令和7年度試験から本格的に出題されているため、過去問だけでは対応しきれない最新法令の把握が、合格率30%の壁を越えるうえで重要になってくる。

試験対策のもう一つのポイントは、実務事例問題への対応である。例えば「ドライバーが点呼時に体調不良を訴えた場合、運行管理者はどう対応すべきか」という問題では、道路交通法、労働安全衛生法、貨物自動車運送事業法の複数の条文を横断的に理解していないと正答しにくい。教科書的には「医師の診断を受けさせる」が正解だが、現場では「代替ドライバーの手配」「荷主への連絡」「配車計画の見直し」など複数の実務判断が同時に求められるため、試験でもこうした複合的な状況を想定した問題が増える傾向にある。

受験対策講習の活用

各都道府県のトラック協会や民間研修機関が、運行管理者試験の受験対策講習を実施している。これらの講習は、法令改正のポイント、頻出問題の解説、模擬試験などを2〜3日間で集中的に学べる内容になっている。受講料は2〜3万円程度が相場だが、独学で複数回不合格を繰り返すよりも、短期集中で合格ラインに近づける可能性はある。ただし、講習を受けただけで合格するわけではなく、講習後の自習時間をどれだけ確保できるかが最終的な差になりやすい。

試験結果を見据えた人員計画の立て方

結論から言えば、運行管理者試験の結果を「確定事項」として人員計画を組むのは危うい。合格率30%という数字は、7割が不合格になることを意味する。この前提で、次の3つのシナリオを用意しておく必要がある。第一に、合格した場合の選任スケジュール(資格者証交付、選任届提出、引き継ぎ期間)。第二に、不合格だった場合の代替策(運行管理補助者の配置、外部委託、次回試験までの暫定措置)。第三に、複数回不合格が続いた場合の撤退基準(別の候補者への切り替え、外部採用への転換)であり、この3シナリオを事前に整理しておかなければ、試験結果発表後の対応が後手に回りやすい。

特に保有車両が30台前後の事業者では、運行管理者の追加選任が必要になるタイミングで試験結果が間に合わず、増車計画が頓挫するケースが多い。この場合、運行管理者資格保有者を外部から中途採用するか、既存社員を試験に送り出して合格を待つかの二択になりやすいが、外部採用は即戦力になる一方で給与水準が高くなり、社内育成は時間を要するものの長期的には定着率が高い傾向がある。どちらを選ぶかは事業者の財務状況と人材戦略次第であり、試験結果の発表タイミングを逆算して動き出さないと、選べる手段は徐々に限られていく。

まず令和8年度第1回試験の申込期限を確認しろ

次回試験である令和8年度第1回運行管理者試験(貨物)の申込期間は、2026年6月15日から7月15日までだ。試験実施期間は2026年8月8日から9月6日、合格発表は2026年9月24日に予定されている。申込期限まであと5日しかない(2026年6月10日時点)ため、受験を検討している事業者は、まず運行管理者試験センターの公式サイトで受験案内を確認し、申込手続きを完了させる段取りを優先したい。

試験結果は事業者の運営計画を左右する判断材料であり、合格率30%という数字を前提に、不合格だった場合の代替シナリオも今のうちに組み立てておく必要がある。次回試験まで半年待つのか、外部から即戦力を採用するのか、判断に必要な材料を先にそろえておくほうが動きやすい。なお、2026年6月10日時点の全国平均軽油価格は158.8円/Lで前週比0.3円の上昇となっているが、これはあくまで参考値であり、地域や給油所により異なるため、燃料費の変動も踏まえつつ、試験対策と並行して運行計画全体の見直しを進める視点も欠かせない。

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